掲載:2019年11月19日
20191119-01_s.jpg 自分が写真を始めた若き頃、当初は人様と同じ様に人様の写真ばかり見ていた。当然、毎月の写真雑誌も全て買っていたし、一か月掛けて全てのページを読破していた。

 そう、広告ページを含め全てである。

 そんな時、師匠とする人間が言った。

「そんな人の作品ばかり見て何をすんの?」
「人は真似から入るんや無いの?」
「其れも考え方だが、それならそれ以上の作品はお前には出来ん」

 確かにそうだと思った自分、先ずは写真の原点「絵画」に興味を持った。次に版画、版画には機材が必要、そんな物を始めようと画材店で話していると、版画機材を無料で上げると言う方が居られますが・・・。

 何か亡くなった娘さんの遺品を使って下さる何方かに・・・との両親からの依頼らしかったが、大きさと重さを聞いて諦めた。大きさは畳一枚分、重さも二百キロ、普通のビルなら一階以外には置けない重さ、ビルには何れも耐荷重が有る。

 今ならヤフオクで売れるかも知れないが・・・。

 其れは諦め、自分は先ずは「図像学辞典・図学辞典・都市の色」等の絵の辞典を何冊も買って読破した。そして、次にしたことが、美術館回り。

 でも、美術館回りをしていると、美術館の展示の絵は完成された物で面白く無い事に気が附いた。其処で回った物に、美術館の同じ管内で開かれている個展である。其処から、街に有る個展会場も見て回った。

 其れに必要な物が、何と言ったか、今も有るであろう個展会場に無料で有る「ギャラリーガイド?」である。毎月発行される是にマーカーで色を付け、其れを毎週の土日祝日に見て回った。

 そうすれば、作者にも出会えるし、キュレーターにも出会える。話も今回の作品に対しての思い入れも聞かれる。そう、たまたま出会え撮った写真には無い”思い入れ”である。

 そして、絵には描く物の観察が必要。花鳥風月の日本画で有名な某お方は家はまるで動物園。其れを知り、自分も観察の重要性を知る。

 ある個展会場では、アマチュアカメラマンの良く撮る「カワセミ」の絵が飾って有った。その方とは後日お友達に成ったが、自分が言った言葉は、

「この絵は凄いですね、餌・を狙う鳥の目、今飛び立とうとして枝を掴む足、其れが他の方の絵には無く凄い」

 聞けば、この方「図鑑の絵を書く作家だった」。

 そう、自分が双眼鏡で見て来た(観察してきた)餌を狙う「カワセミ」が其処に有った。単に枝に鳥が止まるカワセミの絵では無かった。其れを見抜いた自分にも同じ言葉が作家から返って来た。

 有る時、こんな話もある。道頓堀の個展会場で「庭で遊ぶ雀」の日本画が有った。結構大きな絵で30号から50号程度は有ったと思う。でも、其処に描かれた雀の大きさは原寸大、でも可笑しい。

 自分は其絵をしげしげと観察していた。何かが可笑しい。そんな自分を絵の作者も観察しておられた(爆)。

「如何ですか?」とか何とか作者が話しかけて来られたと思う。
「いや、この絵、何かが可笑しいと思うんです・・・。そう、この絵の雀の足が可笑しいのです。自然の雀の足、多分、平坦な土の上ではこの様な形では有りません」
「凄いですね、この雀、実は家で飼っている雀で、足が悪いんです」
「其れなら、凄い絵です。その足の悪さがきちんと描かれています」

 会場に居られた他の日本画家、自分ら二人の会話を聞かれて、再びこの絵に見入って居られた。

 そう、日本画も写真も同じ、全て観察から始まります。其処に感動が生まれます。

 因みに、これ等の自分の考えから生まれた自分の言葉は、

「写真家は写真家で有ってはならない、写真も出来る人間で無くてはならない。」

 是は、芸術家全てに言える。

 その様に多くの個展会場を見て回った自分、絵の配置が可笑しいと言って会場に居られた作家と絵の配置を二人で変えた(この絵、後日某有名企業に納入された)事も、そのお方の生徒さんの作品展の絵の配置を自分がした事もある。

 この時の絵の配置、先生の絵をセンターには置かなかった。生徒さんも、その個展会場のオーナーでキュレーターの方もそれでは・・・と言われたが、先生が凄い絵を描かれていれば、何処に置いても其れなりに見えると言って自分は譲らず。

 その後、この配置を確認された先生もこの絵の配置に納得、お礼にこの先生の絵を1枚貰った。

 また、他にも思った事が有る。自分には洋画全てが宗教画に見える。イコンに見える。なら、日本人の自分は仏教画、其処から得た物は、最終的には無彩色の墨絵、色が必要なら五色。

 今迄、自分が見た最高の墨絵は、墨の黒一色でほぼ真っ黒に描かれた掛け軸。筆跡だけで山水画が描かれていた、最初、床の間で掛けた自分には近くて絵には見えなかった。掛け軸から離れて見て、自分にはやっと山水画に見えた(墨は後から書いた線が下に成るので、描くのも難しい)。作家は河合玉堂。

 人間、本当に凄い物を見れば、身震いする。

 其の後、自分は秩父「河合・玉堂美術館」に行ったが同様な絵を見る事は無かった。。。

 この絵、当時の持ち主に幾ら?と聞いた事が有るが、当然言われなかったが、多分一戸建て一軒分。

 ただこの話、このブログに何回か出て来る(爆)。


※ 玉堂美術館:
 http://www.gyokudo.jp/

   (*^‥^*)」 イヨッ
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