この滋賀・比良山系は小生が近畿で好きな山の一つ、若いときは今の大台ケ原の様に一年に何度も散策に訪れた山である。しかし、現在、この比良山系を皆に危険な山の一つとして、大台ケ原の行き帰りに皆に説いている場所なのである。比良山の表も裏も、遭難者が多い危険な山なのである。
小生は昔、一応の山男。だだ、現在は若い頃の運動の後遺症で、足腰(特に左足)が逝かれて、何時足の間接の力が抜けるかも知れない人間である。そのために山行きも、山の稜線がある場所は危険で歩けない人間。其処で、現在は大台ケ原専門。その、大台ケ原でも、大蛇倉の先端に行く為には周囲の鎖つたいにしか行けない人間である。
若き頃は、毎週の様に友人と山河を走り回り、特に比良山系では夜にガマ蛙を捕まえ、木の先に刺して保管、再度の山行きで是を持ち帰り、有名な「ガマの油」を作ったりしていた。この比良山の裏側には当時、一杯のガマが生息していた。そして、天然のわさびも・・・。
山行きには当然、地図を購入する訳で有るが、当時の山の地図にはその地域の年度別遭難者数が記載されていた(現在は山の地図を購入しないので知らないが・・・)。その地図の中で一番遭難者数が多かったのが、この比良山系。片側が琵琶湖、たかが、標高1214メートル(武奈ケ岳(ぶながだけ))の山なのだが、比良山荘側から登り、裏比良を散策すれば、突然墓標をいくつも見ることが出来る。何故こんな所で??、と思うが、実はこの裏比良、すり鉢なのである。(今回の警察の捜索も、入山記録から、鯖街道に下りると有ったので、この裏比良に集中したらしい。)
山男には当時、迷信が有った「迷えば沢を下れば人家に出る。」。是は現在も良く言われ、先日、TVで見た老年遭難者も是を信じて遭難したと聞いた。この迷信、一部地域では正しいのだが、この比良山系には通じないのである。何せ、沢を下れば、すり鉢の底。人家には出ない。迷って上を見れば周囲が同じような山、方向を見失う。是が多くの場合、比良山系遭難の原因と思う。山は侮るな。登りより下りが危険。
正しい格言は、「迷えば元来た道を戻れ」なのである。でも、是も体力が尽きれば終わり。その為に、小生らの当時の山行きには、皆で次の様に定めていた。
@ 山行きには、予定の2倍の休暇を取れ。(急がない山行き。)
A 山行きには、予定の食料以外の軽い非常食を持て。(一日の山行きでも。)
B 全員が、地図・磁石を持て。(一名が滑落しても地図がある。)
C 迷えば夜間は動くな。(夜間は必ずビバークする。)
D 山で迷えば必ず元来た道を戻れ。
E 滑落した人間が居ても、出来ない事はするな。(危険は冒さない。)
F 見捨てられても恨むな。
G ロープを切れば他人が助かるなら、自分でロープを切れ。
H 成るべく派手な服装をしろ。(遭難時に空から見つけられ易い服装。)
I 迷えば不用意に急いで動くな。(霧では動くな。)
J 標識は信じるな。(潰れて違う方位の物がある。)
・・・・・などなど色々と皆で定めていた。是は、夏・冬関係が無い。親に言えば「行くな!!」と言われただろう。当時、家族には山行きと言わないで、上高地に行くと言って何度も北アルプス、ハイキングやキャンプと言って比良山に登った。この時、「人間、何処に居ても死ぬときは死ぬ、生きる時は生きる」と思って山行きは止め無かった。「山が有るから、頂上が有るから登る」「山男は孤独」「事故は自己責任」・・・。この時から、小生は運命論を信じている。
ただ、現在、知らない山に入る入山者で、服装の軽微な者・地図を持たない者・食料・水を持たない者、ガイドブックだけの者等の無謀な登山者が目立つ。是非、自重願いたいものだ。小生の行く大台ケ原、特に西大台でも遭難・死亡者は居るのである。現在も不明者が居る。高山だけが遭難者が居るとは限らないのである。
日本の山で遭難者が一番多い山は小生の好きな北アルプス、次が高山の無い近畿の山である。近畿の山で遭難者数の多い山は、六甲・比良・大峰山系であり、ハイキング気分の登山に遭難者が多いのが判る。
因みに、山で遭難すれば、発見(生存・死亡)される確率は凡そ30%程度である。ただ、冬山で生き残れる確率は非常に低い。山には登った人間にしか判らない魅力がある。ただ、山は低くても侮るな。危険。
※ 写真は奈良県・上北山村・大台ケ原(東大台)からの日の出(200年11月18日)

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