
ネットのニュースを読んでいると、ひよんな所から此処に飛んだ。其処には地方創世の事が書かれていた。今の地方創世と言えば道路を付け箱モノを作り、仏作って魂入れず。是が本当の所と思っている自分だが、同様な事が書かれていた。
「ぐっちー 」さん、多分是は本名では無いだろうが、何度もこの名前を読んでいると、この名称は多分「愚痴」(爆)と言う事が直ぐに判る。
大学の先生や知識人の言う地方創世とはちと違った事が書いて有り、一読の価値が有る。
ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
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※ ぐっちー「地方創世の現場に蠢く(ウゴメク)コンサルとおっさんたち」:
https://dot.asahi.com/aera/2017040600032.html by ぐっちー (更新 2017/4/9 11:30)
【記事引用】
経済専門家のぐっちーさんが「AERA」で連載する「ここだけの話」をお届けします。モルガン・スタンレーなどを経て、現在は投資会社でM&Aなどを手がけるぐっちーさんが、日々の経済ニュースを鋭く分析します。
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地方創生に関わり、補助金は一切使わず自腹を切り、地元の人と向き合い、本気で開発を進めている人間には信じがたい事業が出現しました。
千葉市の「幕張ベイタワーズプロジェクト(仮称)」。計画では総面積17万5809平方メートルの8区画に約4500戸の住宅を整備し、約1万人が暮らす街を開発。「全米一住みたい街」といわれるオレゴン州ポートランドをモデルに、未来志向の暮らしを提案する「ライフ・イノベーション・タウン」を目指すとのこと。
岩手県紫波町での経験からすると、こういう外側だけまねすればいいという劣化コピーを得意とするコンサル連中は雨後の筍のようにやってくる。日本全国で何千万円という補助金をかすめ取る事態が後を絶たないことがわかります。
仏作って魂入れず……という日本の格言があるように、幕張くんだりにオレゴンの外見をマネシタ街をつくって、一体何をする気なんでしょうか。
米西海岸はご存じの通り、元々はぐれ者が集まった土地。東部のエスタブリッシュメントの既成概念や既得権者が嫌で、身一つで西部にやってきた。主にカリフォルニアに集まったわけですが、それでも飽き足らない……といういわば「超はぐれ者」がさらに北を目指してできた街がシアトルやポートランドです。
これらの街に共通するのは、住民が集まって侃々諤々とやりながら「俺たちが住みたい街」を追求し、自らも投資をしてリスクを取り、街づくりにも参画する点。そんな人たちがいるからこそ成り立つ構造です。この背景をなくして街だけをまねするとは、意味不明なプロジェクトです。
地方再生絡みで日本全国を講演で歩きますが、ほぼ共通して見えるのは、一等地を占拠する商店街のおっさんたちがおり、何もやらないので町の衰退が加速しているという悲しい現実です。
彼らは高度成長のお陰で借金はなく、国からは地方創生と称する補助金がゴチャマンとぶちまかれ、食うにも全く困らない。自分たちの子どもは東京で進学、就職して地元に帰る気もない。住まいは町のど真ん中でも町に対するコミットメントなぞ皆無で、地元を良くしようなどこれっぽっちも思ってないのが、シャッター商店街の現実なんです。
そんな地方にいったい誰が行きたいですか?
※AERA 2017年4月10日号
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※ ぐっちー「フランスにいると日本の地方創生に絶望する」〈AERA〉:
https://dot.asahi.com/aera/2017061500042.html 6/18(日) 16:00配信 AERA dot.
【記事引用】
ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
経済専門家のぐっちーさんが「AERA」で連載する「ここだけの話」をお届けします。モルガン・スタンレーなどを経て、現在は投資会社でM&Aなどを手がけるぐっちーさんが、日々の経済ニュースを鋭く分析します。
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パリにいます。昨年もこの時期にパリにいたんですね。
で、ここフランスにいると日本の地方創生が狂ってる、と言うしかない現実に打ちのめされてしまう。フランスの地方都市はここ数年他の都市にはない魅力を独自に熟成させており、そこの都市に行ってお金を使いたいという人が世界中から集まってきている。
誰一人として、パリと同じような街づくりをしたいなんて考えている人はいません。その地方都市ならではの街並みを保存すべく市が管理しています(これぞ行政の仕事です)。一方、日本は全国どこに行っても駅の景観は変わらないし、商店街はすべて区画整理されて全く歴史が感じられない、魅力のない街並みになってしまった。街並みがきれいだからとモンペリエを訪れるフランス人はたくさんいますが、街並みそのものを見に行く日本の地方都市が思い浮かびますか?
そしてなんといっても食べ物です。ボルドー、マルセイユ、モンペリエ、リール、ブルゴーニュ、シャンパーニュ等々、そこでしか食べることができない料理を提供するレストランが満載です。つまり、食べるためだけに訪問するほどの価値がそこにつくられ、金をとる仕組みが出来上がっているので、日本のように観光客の集客数を競うなんてつまらないことは目標にしない。どれだけお金を使ってもらうかに価値を集中させているからこそ、独自の食文化がさらに熟成されてくる。
ワインにしても同様です。例えば、ボルドーではボルドー産のワインの成分比率は法律で決められており(いわゆるボルドーブレンド)、栽培できる葡萄の種類も限られています。それを逸脱したものはボルドーワインと名乗ってはいけない。結果的に一本何万円もするブランドが生まれ、世界中の連中がそれを目当てに街にやってくる。そしてそれを支える料理文化も育っていく(ワインだけ飲むわけにいきませんから)。例えばボルドーには、世界的に有名なシェフが2人もいますね(ゴードン・ラムゼイ、ピエール・ガニェール)。
日本でも補助金がぶち込まれ、日本中でワインが造られています。ですが、そこの地方のワインがなんたるかを考えてもいないため、とてもそのワインを目当てに観光客が訪れるなんてことにはならないのです。
※AERA 2017年6月19日号
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※ ぐっちー「花巻市のマルカン百貨店の復活、若者が中心となった理想的な地方再生」:
https://dot.asahi.com/aera/2017030200064.html by ぐっちー (更新 2017/3/4 16:00)
【記事引用】
ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
経済専門家のぐっちーさんが「AERA」で連載する「ここだけの話」をお届けします。モルガン・スタンレーなどを経て、現在は投資会社でM&Aなどを手がけるぐっちーさんが、日々の経済ニュースを鋭く分析します。
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岩手県花巻市の若者たちが、我々の同県紫波町の街づくり事業「オガールプロジェクト」に触発され、新たな地方再生モデルを実現しました。
花巻市のマルカン百貨店が、改修の資金繰りがつかずに閉鎖するという話が出たのが昨年3月。多くの市民から愛されてきたマルカン大食堂があり、存続を望む声があがりました。日本全国でよくある話で、「町の象徴だったのに」「何とかならないか」など無責任にインタビューに答える大人たちがいます。自分たちがお金を使わないから業績不振に追い込まれたわけで、本当に必要で大事なものならちゃんとお金を使って維持しなければならない。
そうやって嘆くだけで、政治家が補助金を持ってくるのを口を開けて待っているのが地方における現実なのです。
しかし、彼らは違いました。若者たちは、リノベーションなどの手法で地方再生を手がける花巻家守舎が経営を引き継いで再生できないかと立ち上がりました。そしてわずか1年で、1階部分と大食堂だけをリニューアルオープンし、既存の雇用を守り、新たに60人の雇用を生み出す快挙を成し遂げました。
資金的には唯一、金利部分だけ花巻市の補助金が付いているようですが、他はすべて自らで調達。とんでもない補助金を突っ込んで、にっちもさっちもいかなくなってしまったお隣の県の商業施設「アウガ」とは真逆のモデルです。
彼らが画期的だったのはクラウドファンディングを使い約2千万円を集めていること。私がいつも言っているように、無責任な大人たちではなく、実際に自腹を切っても存続を願っている「本当の」市民と手を組むことでプロジェクトはリアルになるのです。こういう人たちは自分たちでお金を出していますから、リニューアル後もこの食堂の発展のためにアイデアを出したり、顧客として期待もできる。
この手法は、閉鎖の報を聞いた地元の女子高校生たちがなんと1万人の署名を集めてきた時にひらめいたというのですから、まさに若い世代がコアになった補助金に頼らない理想的な地方再生モデル。地元の価値は住んでいる人たちが上げるのだという当たり前のことを実行したと言っていいでしょう。
日本のみなさん、もう寝ている場合ではありません。起きてください!
※AERA 2017年3月6日号
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※ ぐっちー「補助金しか頭にない地方自治体はシアトルに学べ」:
https://dot.asahi.com/aera/2017051100080.html by ぐっちー (更新 2017/5/14 11:30)
【記事引用】
経済専門家のぐっちーさんが「AERA」で連載する「ここだけの話」をお届けします。モルガン・スタンレーなどを経て、現在は投資会社でM&Aなどを手がけるぐっちーさんが、日々の経済ニュースを鋭く分析します。
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シアトルに来ています。来るたびに思うのは、彼らと日本人とのコンセプトの違いです。ここの人たちはとにかく自分たちのエリアに誇りを持っており、余計な奴が来ないほうが自分たちのアイデンティティーを保てるということを体現しています。
日本では、便利になれば黙っていても人は来るもんだというある種「信仰」のようなものが特に地方にはびこっていて、口を開くと「補助金をくれ」と言っている人が多数いるわけです。地方の人口流出の原因は不便だから、新幹線さえ通れば、空港からライトレールさえ造れば人は来ると信じて疑わない。
しかし新幹線が通った岩手県は人口流出が加速し、ライトレールを造った富山市は税収が上がるどころか、ライトレール建設で財政が圧迫される始末。誰ですか、便利になれば人が来て自動的に金を落とすと思っているのは!!
シアトルは本当に不便で、空港からダウンタウンへのライトレールも30年以上住民の反対運動を経て、やっと造られました。空港からの足が車しかなかったのに人口は増え続けたのですよ。交通機関が整えば人が来ると思っている日本の県知事たちは少しはシアトルに学ぶべきでしょう。
シアトルがやったことは、まず住民同士がタイトなコミュニティーをつくり、教育水準を上げ、高い医療水準を維持するという目標を掲げたこと。そのために税金を払い、自ら活動に参加し責任をもって実行し、自分たちが住みたいと思う街をつくりました。その結果、全米から教育、医療水準の高いシアトルに住みたいという人が集まり、不動産価格も上がりました。まさにエリアの価値を上げることで街の発展につなげた現実があるのです。
自分たちは不動産を所有しているので生活に困らないし、子どもたちはみんな東京で働いてくれればいい、と考えている日本の地方の既得権者とは正反対のことがシアトルでは起きている。なぜ、日本では起きないのか、と言えばそれは黙っていてもいくらでも補助金が来るからで、要するに政府は干渉せず放っておけばいい。
大体自分が住んでいるエリアにどうして責任を持つ気がないのか? 当たり前ですが、そんな大人たちがやる気もなく、魅力のない街に若者が残るはずもないのです。
※AERA 2017年5月15日号
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(*^‥^*)」 イヨッ