昔、母方の実家では、おばーちゃが「醤油もろみ(しょうゆの実)」を作っていた。其れが美味しく、良く家にも貰って、ご飯に乗せて食べていた。
子供の時、田舎でその作り方実際を見た。麹は使わず、筵(むしろ)とススキの葉から天然麹を取り作っていた。其れを見覚えていたが、インターネットを始めた頃にはネット上にも其れは見られず、後日其れを「キッコーマン国際食文化研究センター」のHPに見つけた。
その資料原本は、「廣益國産考(広益国産考)第五巻」との江戸時代の和本だった。自分の見た作り方、その物が此処に載っていた。
現代その原本は、デジタルライブラリー化され、このネット上に見る事が出来る。読みづらいが、他にも色々な面白い項目が有る。
また、醤油の作り方は、江戸時代の百科事典「和漢三才図会」にも少し述べられている。しかし、此処には麹を混ぜると有り、天然麹の取り方は述べられていない。
これ等の詳細を参考URLと共に以下に記した。「廣益國産考(広益国産考)」には色々な参考に成る内容も有り、目次だけでも見て見られれば面白い。
また、検索に「デジタルライブラリー」と入れれば多くのデジタルライブラリーを見つける事が出来、貴方の探したい昔の資料が見つかるかも知れ無い。
因みに、現代の醤油屋の販売する「醤油もろみ」、其れだけでは売れないと思うのか、つまらない野菜を漬けて売っているが、自分の口には野菜味が混ざり口に合わない。醤油部分の現代語表示は最下端に記載。
また、以下にその醤油もろみの参考URLも記した。懐かしいと思われる方は一度どうぞ!。
※ 手作り・しょうゆの実(麦と豆麹?):麹の池田屋醸造:
http://www.ikedayamiso.com/※ 豆麹販売: 横川商店:
http://www.yokokawasyoten.jp/※ 食べてみたい醤油もろみ: 森田醤油:
http://morita-syouyu.com/shop/syouyu-kouji.html※ 湯浅醤油手作りしょうゆキット:
http://www.yuasasyouyu.co.jp/syouyukit.htm※ 趣味で作る料理ひしお味噌 (醤油の実)の作り方
http://ws-plan.com/kokurui/hisiomiso.html※ ひしお味噌をつくる ?「ひしおの糀」を使って? (完成まで4?7日)
http://www.geolife.jp/mimiArc/arcHishio.html※ 「ひしおの糀」(乾燥ひしおこうじ)
http://www.geolife.jp/koufuku.html#hishio※ 古代調味料「ひしお」の魅力
http://www6.nhk.or.jp/harefarm/archive/archive.html?i=150206※ ひしおの糀 - 備前長船名刀味噌本舗
http://www.meitoumiso.com/hishionohana.html※ 「ひ志お」を売っているお店
http://www.hishio.co.jp/※ 古代発酵食品の魅力!!醤(ひしお)調味料の作り方
http://marukawamiso.com/recepi/make-hisio.html※ 愛知県岡崎市・兵藤糀店:
・ 住所:(〒444-0824)愛知県岡崎市上地町字丸根53
・ 電話番号: 0564-51-9202
・ 業種 こうじ(麹)【取扱製品】甘酒の素・金山寺味噌・米こうじ(乾燥糀)・麦こうじ(乾燥糀)・豆こうじ(乾燥糀)・手作り味噌セット(11月〜4月限定販売)・特注こうじ加工
・ 営業時間: 9:00〜17:00
・ 休業日: 11月〜3月は日曜定休、4月〜10月は不定休になりますので、お問い合わせの上ご来店ください
・ 地図:
http://nttbj.itp.ne.jp/0564519202/access.html※ 醤油・味噌のお話:
http://www.aichi-iic.or.jp/co/otaya-jouzou/syoyu01/index.html ----------
廣益國産考 ( 広益国産考・こうえきこくさんこう )大蔵永常著。8巻8冊。『国産考』ともいう。天保 13 (1842) 年より刊行。各地の工芸作物の栽培を奨励し,特産品として発展すると,農家の経営が豊かになる点を述べている。
※ 廣益國産考, 大蔵永常著, 安政6年(1859). (近代デジタルライブラリー)
http://kindai.ndl.go.jp/search/searchResult?searchWord=%E5%BA%83%E7%9B%8A%E5%9B%BD%E7%94%A3%E8%80%83 http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/802210※ 現代本には、広益国産考 (岩波文庫): 大蔵 永常, 土屋 喬雄: 本として、文庫本で販売。
また、江戸時代の百科事典「和漢三才図会」にも醤油の項が有る。。
※ 和漢三才図会(近代デジタルライブラリー)
http://kindai.ndl.go.jp/search/searchResult?searchWord=%E5%92%8C%E6%BC%A2%E4%B8%89%E6%89%8D%E5%9B%B3%E4%BC%9A※ 現代本には、和漢三才図会 (東洋文庫)寺島 良安, 島田 勇雄 が有る。
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【廣益國産考の詳細目次】
★ 第一巻
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/802206 総論
特産物を作るための心がまえ
国の特産物の基礎を作るには、損益についての正しい理解が必要だという話
特産物の反物が、その役人の管理が悪いために損失をこうむったという話
特産物を取り扱う役所へ農民が生産したものを収める図
砂糖を国の特産物とするために肥料を購入する方法
特産物を取り扱う責任者へ新しい管理方法を申し出ることはよくないという話
国の特産物になりうる品々
栽培する土地の気温との適合関係のあらましを述べる
農家は年中食べるもののほかに余作を心がけるべきだという話
川の両岸に櫨の木を植えた図
娘の嫁入り道具に余作の種苗をもたせてやった話
当面不必要な衣類を売却し、その金を貸付けた話
東国よりも西国のほうが物産の開発が早いという話
山畑にみかんを植え、水田に稲の二期作を行っている土地のこと
農具の製造に注意すれば、作物に利益があるという話
農具の名前(農具類)
郷蔵を建てて籾を備蓄する話
日掛ということを名目にして銭を徴収することは避けるべきだという話
国の特産物を作り出そうとするばあい、そのこについての詳しい知識がないとかえって損をするという話
★ 第二巻
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/802207 杉の仕立て方
付、不毛の地に杉を植えて大金をもうけることの説明
杉に適した土地
杉を植えるのに適した土地の選び方
杉の種とり・貯蔵および三年苗までの育て方
苗床の作り方とその図
施肥のやり方
雪覆いや霜覆いの作り方とその図
二年目の苗の間引き方
杉山の図
杉苗を二年目くらいに植えかえた図
三年目の春に根の先を切り、移植をすること
杉三年苗の山への植え方
植える土地についての知識
傾斜地に植え付ける図とその道具の図
その植え方
杉の一年間のおおよその伸長量
関東では平地に杉を植えて柱材にするという話
杉山のいばらを刈り取り、杉の下枝を切り落とし、木の生育状態をみて伐採すること、および杉のおおよその年伸長量
伐採する材木の価格が年々高価になることについて
杉の伐採時期と杉皮の利用
杉皮のはぎ方と並皮、中皮、棒皮の説明
付、小丸太をとり、葉から線香や抹香を製造すること
檜――その図と、別に一種あることの説明三か条
付、杉と檜を植えておいて巨額の借金を完済した話
松――松には数種あることの説明
付、松の雌雄を見分けること、雄松に利用価値のあること
早く成木を得る方法
並木にするには種子を播いたほうがよいという話
松の種とりと苗の仕立て方
種子の貯蔵と苗床の作り方
畦を作り、そこに苗を植えた図
雌苗を間引き、雄苗を育てること
二年目に畦に移植すること
松山の開き方と植え方
付、平地に植えると生長が速いという話
街道の並木の間に松苗を補植する図
茯苓や琥珀などについて
松、杉、檜は国の利益にとって最も重要なものだという話
砂糖について
付、近頃、日本産の砂糖が各地でたくさん生産されるようになったという話
駿河と遠江で砂糖を生産して江戸に出荷し、大金をもうけた話
砂糖を造るようになってから、年貢の滞納がなくなったという話
砂糖を造れば、必ず国の特産物になるであろうという話
さとうきびの生長した図
さとうきび栽培に適した国々
国々の風土によってさとうきびの栽培に損得があること
★ 第三巻
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/802208 席草(琉球藺=いぐさ)しちとういともいう
総論
いぐさの図
いぐさの別称
「鷺の尻さし」の図
いぐさの適地と気候
いぐさの栽培に適した土地のこと
豊後でいぐさを栽培する者の収支計算の説明
いぐさを植える田の耕し方
付、なんば、田下駄をはいて湿田を歩く図
いぐさの植付け方と肥料の施し方
施肥の適期と施肥量について
雙竹を入れ、それに足をのせて湿田を耕す図
いぐさの刈取り時期について
耕起した水田に水を入れ、いぐさの苗を植える図
いぐさの刈り取りの適期は特に天候を見定めるべきこと
いぐさの刈り方
中秋にいぐさを刈り取り、家に運ぶ図
いぐさの裂き方
刈り取ったいぐさを夜なべ仕事に裂く図、裂き台の図
裂いたいぐさの干し方
裂いたいぐさを翌朝屋外に干す図
筵織りの材料と手間
付、筵を織る労力のあらましを記す
筵の織り方
筵を織る道具の分解図と組立図
豊後で織り上げた筵に印を押して等級をつけるという話
農家が琉球藺で筵を織る図
織り上げた筵を包装する図
筵の値段の高低
いぐさを作るばあいの収支
大阪の筵問屋の荷揚げ、販売状況の図
豊後国の三郡で生産される筵の売上げ代金が巨額に達するという話
いぐさの筵を農家が多く使用することによって利益を得る話
いぐさの苗の貯え方
その図、春に掘り出して苗を選別する図
いちびの作り方
付、麦を刈り取った跡にいちびの種子を播いて栽培する方法
刈り取りの適期
その皮のはぎ方
いちびの種子のとり方
いちびの写生図と、いちび畑の図
いちびの繊維を縦糸になう方法
紫草について
紫草の写生図
紫草を作る土地について
紫草を播く時期と地ごしらえ
付、ひわに食われないように用心すべきこと
種子を播く図
施肥について
紫草の施肥と手入れの仕方
穴肥や水肥の作り方
鍬で小溝を作り水肥をかける図、穴肥を施す図
紫草の収穫のやり方
付、土をふるい日干しすること
染料むらさきの製法
付、出来の良否によって価格に高低のあること
天然ものは特に高価であること
紫草の種子のとり方と貯え方
★ 第四巻
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/802209 ところ――利用についての心得
ところの異名
甘ところ、苦ところの写生図および説明
ところの掘り方と食べ方
ところの製法図とその道具の図
苦みを抜いて食用にする方法
ところの効能と、その粕、上水にいたるまでの利用法をすべて記す
飼料にところを混ぜて食わす図
わらび――利用についての心得
わらびを掘り取る道具の図
わらびの生育したものの写生図
わらびの掘り方とわらび粉、わらび縄の製法
わらび粉の製法図と、道具の使用方法
からすうりとその中国名
からすうりの写生図
実をとってひび、あかぎれの薬、女性の化粧品とする話
からすうりの根の掘り方と利用法
からすうりの効能
きからすうり(天花粉)とその中国名
付、きからすうりとからすうりの見分け方
根を掘って天花粉に加工する方法
きからすうりの効能
付、実を炒って燈油を作ること
柿、およびその字についての解釈
諸国から産出される柿の品種と土地の適不適、および渋を搾ること
渋柿の写生図
渋を搾る図
柿の種子を播き台木を仕立てること
接木の仕方、および霜覆いについて
種子を播いて生えた図
接木の仕方の図解
柿の種類の概略
渋柿の皮を餅にすること
さわし柿の作り方

★ 第五巻
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/802210
☆ この巻の総論

☆ 国の特産物についてわきまえるべきこと

☆ 醤油およびこれを手づくりにしたばあいの損得についての説明

☆ 醤油の造り方 付、分量について

☆ 二番醤油の搾り方と麦味噌の仕込み方

☆ 仕込みの図

☆ 燈油およびその説明
田を乾田化して菜種の種を植える図
油を搾る図
蝋――櫨の木を植えて蝋を作れば必ず国の利益になるという説明
鬢付油、ろうそくを商う図
畔大豆
付、堤防の上の道の両端に大豆を植えた図
稲を掛干しにすれば地干しにするよりも利益があるという話
綿を作った畦に大根を植える話
葛
葛粉製法の図
綿
綿の写生図
木綿
木綿問屋の商いの図
養蚕
蚕を飼う図
こうぞ――作物のじゃまにならないで利益があることについて
こうぞの写生図
こうぞは種類によって上、中、下の格があること
山こうぞにもいろいろな種類があること
摂津の木部周辺で育てているこうぞについて
紙を漉いて板に張りつける図
付、みつまたという木で紙を漉くこと
みつまたの植えかたと仕立て方
紙
紙を漉きはじめることについての注意、および賃銀のこと
土佐から産出される紙が、国の大きな利益となっているという話
中国地方から産出される紙の種類について
付、紙を国の特産物とすることは望ましいという話

★ 第六巻
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/802211 国産といっても作物に限らないという話
ひな人形、最近はあちこちで作っているという話
付、伏見人形の作り方
土を臼で搗き、人形の型をこしらえる図
その型どりの仕方のこと
その型に土を入れ人形を作ること
その図
乾かした人形の焼き方
その竈と道具の図
竈に火を焚く方法
焼いた人形を取り出すこと、その図
人形の彩色の仕方と胡粉のとき方
その道具
彩色に必要な品物
その下塗りをする図と、必要な絵具について
絵具の使用方法
彩色の仕上げをする図
仕上げたものを包装する方法
のり
付、諸国から特産物としていろいろの種類ののりを産出する話
のりをとっているところの状況
そだのくくり方とそだを海にさす道具の図
そだをさしこむ深さのこと
そだを海にさし込み、引き潮のときのりをとる図
のりをとる季節について
のりをざるにとり入れ干しのりを作る方法、および仕上げ品の貯蔵方法
のりを漉いて日に干す図
栗丸太――栗材の強さは松や杉より優れているという話
栗の種を播いて育てる方法
栗が畦に生え出た図
栗の苗を冬に囲い、霜覆いをする方法
施肥について
定植後の仕立て方についての注意
間引きの方法
定植して三、四年になった栗の図
栗の実をとるには接ぎ穂をすべきこと
茶――作り方の心得
番茶の作り方と施肥の仕方
その実を播いて育てた苗に霜覆いをした図
苗の手入れについての注意
苗を植えるべき土地について
茶の刈り取りと製茶の方法
茶を刈り取る図
せん茶の製造場の図
番茶とせん茶では味がちがうという話
茶摘みの仕方
★ 第七巻
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/802212 諸国のいろいろな産物はみな近年になって生産が盛んになったという話
桟留機の図および寸法
国の特産物となる木綿類
桟留縞を織るための糸の準備
?車の図
これを十反つづきで織るときの能率
染め手間について
糊入れについて
糸繰りの手間賃
縦糸を機にかける手間賃について
巻き手間について
縦糸結びについて
桟留縞の見積もり
桟留縞の下物一反の生産費
桟留縞の中物一反の生産費
桟留縞の上物一反の生産費
機を織りはじめるさいの注意
木綿を織る機の図二種
農家の利益となる作物
肉桂を育てることについて
付、実をむいて播く方法と日覆いの仕方
移植のやり方およびその図
肉桂を植える場所 付、施肥について
実を播いて生えてきた図
肉桂を掘り取る時期
蜂を飼って蜜をとる
蜜蜂の巣箱の作り方
巣の造り方
蜜蜂の生活の話
蜂蜜を造る図
蜂の分封の話
巣を割って蜜をとる方法
付、蜜および蜜蝋の採取量
豊後国日田郡の特産物
それぞれについておおよその代銀を見積もり、各地で国の特産物を作り出せば、大きな利益になるであろうという話
★ 第八巻
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/802213 梅を植えて農家の利益をあげることについて
梅干しの作り方
小田原のしそ巻梅のこと
江戸の新梅屋敷の話
梅を四斗樽に漬け、諸国へ運送する図
接木についての注意
ぶどうの栽培について
ぶどう棚の図
ぶどう苗の仕立て方
ぶどうの房の貯蔵法
甲斐からぶどうが多く産出される話
梨を多く栽培して利益を得ること
付、美濃路で梨を買った商人の話
梨棚の図
種類を選んで植えるべきこと
台木の作り方
付、急いで台木を作る方法
接ぎ穂の作り方およびその図
定植の仕方
施肥と手入れの仕方
梨の貯蔵法
みかんの仕立て方
みかんの苗は摂津から取り寄せるべきこと
山にみかんを植えた図
からたちを実生にして、みかんの台木にすること
付、からたちの実生の図および仕立て方
接ぎ木のやり方、施肥の方法とその図
みつまたを不毛地に植えて利益を得る方法
付、苗床の作り方と種子の貯蔵法
みつまたの苗の仕立て方とその図
みつまたの写生図
みつまたを伐り取って蒸して皮をむくこと
松山を早く育てるための心得
松の実生一年目の図
ある人がいろいろな木を植えて国の利益にした話
山の雑木を刈り取って焼いた跡地に菜種を播く図
休耕田について
休耕田を耕す図
解題
一、大蔵永常の生涯における『広益国産考』の執筆時期
二、大蔵永常の農学における『広益国産考』の位置
三、『広益国産考』にみる大蔵永常の農学思想
四、永常農学の今日的意義
※ 「廣益國産考(目次)」・ルーラル電子図書館:
http://lib.ruralnet.or.jp/ns/mokuji2.php?14(1) ----------
★ 第五巻の醤油・現代語訳 ★
『廣益國産考 こうえきこくさんこう 』(天保15年<1844>刊)
【五人家族の家で醤油をつくるのであれば、大豆、大麦それぞれ一斗八升ずつ用意する。麦は炒って、半分は粗く挽 ひ き割り、半分はそのままとする。豆は煮たら麦と混ぜ、麹をつくる。麹づくりは、家の隅の土間に菰 こも を敷き、その上に筵 むしろ を敷いて、豆と麦を合わせたものを約一寸五分程の厚さに敷く。夏はこのままでよいが、九月であれば筵一枚、十月上旬なら二枚覆う。覆いをする前に、杉の葉の灰やススキの葉を原料の上に置くと麹がよく出来る。全国どこでも家庭で醤油をつくるのは、六月の土用中に仕込む】
【(麹ができたら)樽に仕込む。塩は大豆と同量使用する。水は麹三升につき五斗四升必要である。仕込み終ったら毎日交棒 まぜぼう で掻き回すこと】
【約七十五日たった頃、味もよく熟成する。そうしたら「もろみ」の中に籠をたて、籠 かご の中に溜まった醤油を汲み取り、溜まらなくなったら、その「もろみ」を袋に入れて搾る】
【手造りの醤油は、色が白いと嫌われるが、搾ったあと一度鍋で煮立たせるとよい。冷して樽に入れ貯蔵する。三か月たったらもう一度これを行なえば、色もよくカビることもない】
※ 現代語訳: キッコーマン国際食文化研究センター:
http://kiifc.kikkoman.co.jp/tenji/tenji15/soysauce09.html ----------
★ 和漢三才図会・醤油の項・現代語訳 ★
和漢三才図会 巻第百五 醤油
『和漢三才圖會 わかんさんさいずえ 』(正徳5年<1715>刊)
【醤(和名は比之保 ひしほ) わが国では俗に油の字を加える。まだ搾 しぼらないものを「醤 ひしほ」というので、醤と醤油は別物としてよい】
【醤油には大麦を原料にしたものと、小麦を原料にしたものがある。つくり方は、大豆一斗をよく煮る。精白した麦一斗を炒って粗 あら く挽く。これらを一緒にして麹 こうじ をつくる。塩一斗と水二斗五升を混ぜて煮る。これを冷まして桶に入れ、そこに豆麦麹
を入れてよく撹拌 かくはんする。
夏は七十五日、冬は百日で出来上る。これを搾り、油を取る。油を取った液を一度煮る。色は黒くなるが、味はよい。搾った渣 かすを使って再び仕込み、同様の方法で液を取
る。これを「二番醤油」といい、味はすこぶる劣る。
市販されているおおかたの醤油は、みな小麦を用いており、大麦を使ったものは味がよくない】
※ 九州大学記録資料館九州文化史資料部門 和漢三才圖會 巻第百五 醸造
https://www.lib.kyushu-u.ac.jp/ja http://record.museum.kyushu-u.ac.jp/wakan/ ※ 江戸時代の醤油の製法:
http://park11.wakwak.com/~kitai/Kitai_Shoyu/MAME/reference-4.html ----------
※ 江戸料理百選:
http://www.asahi-net.or.jp/~UK5T-SHR/welcome.html・ 煎り酒:(江戸時代の調味料):
http://www.asahi-net.or.jp/~UK5T-SHR/simazaki.html#4月
※ 「煎り酒」の作り方:
http://m-jun.seesaa.net/article/115548387.html (*^‥^*)」 イヨッ